イーロン・マスクの伝記本を読んだ(せいで(読書とは違う理由で)徹夜した)

今年出たイーロン・マスクの伝記本があるじゃん

スペースXとテスラのCEOをやりつつTwitterまで買ってしまったイーロン・マスクという人がいるじゃないですか。彼についての本は山ほど出版されているけど、決定版というか、1冊だけ読むならこれでしょ、という本がしばらく前に出ていたのはご存知の通り。

1冊だけと言いつつ2分冊だったわけですが、ウォルター・アイザクソンが書いて井口耕二さんが翻訳している。これはあの『スティーブ・ジョブズ』と同じ布陣です。 そして原稿の段階から翻訳を始めて日米同時発売というのも同様。日本での版元は違いますが。激しい翻訳権争奪戦があったに違いない。 2年間密着取材して、仕事仲間、友人知人、妻、元妻、家族等々様々な人にインタビューをして、南アフリカで生まれてから(というか生まれる前の祖父の代から)最近のTwitterの話とかまで書かれています。

徹夜で読みたくなるほど面白い

今年の9月に本年いちばんの話題書という感じで出版されてたので見かけた方や既に読んだという方も多いでしょう。もちろん私も積ん読してたんですが、ふと思い立って読み始めてしまったらこれが滅法面白い。眠れん。上巻一気に読んでしまい、このまま下巻まで突入してひさしぶりに徹夜するかっていう勢いだったのですがふと冷静になってその日は一回寝ました。

この人がPaypalマフィアであることは知っていたし、そのPaypalが彼のX.comと合併したものであることも知っていたんだけど*1、その前に地図サービスを兄弟で起業して揃ってマルチ・ミリオネアになっていたことなんかは知らなかった。

まあそれにしても凄い。暴力的な南アフリカ時代、父親との関係、結婚3回(相手は2人、非婚のパートナーも1人)、1つだけでも印象的なエピソードが次から次へと繰り出される。それをジェットコースターのようにめまぐるしく駆け巡っていくので、本の構成も章毎に主にそのとき経営している会社のタイトルが付いていて、何個出てきたかいちいちおぼえていられないほどめまぐるしく入れ換わってゆく。

関わる全ての会社でメンバーに「気が狂いそうな切迫感を持って仕事をしろ」と要求する。いつかテスラが社員に「週90時間働け」みたいなメールを送ってたみたいなことが話題になってたけど、テスラだけじゃなくて関わった全ての会社で同じようなことやってたんだね..。しかしまあ、こういう環境で働いてみるのも刺激的で面白いだろうなと一瞬思ってしまったりもします。

文春オンラインのサイトにはほぼ本の内容を紹介しているページあるので買うかどうか迷っている向きはそちらをチェックしてみると良いでしょう。

ていうか実際に徹夜してしまった

ただまあ、本はもちろん面白いんだけど、それとは違う理由で徹夜してしまった。下巻に出てくるんだけど、2021年頃に彼がハマってしまい1日に何時間もプレイしていたという『ポリトピア』というゲームが紹介されていたのです。対戦もできて兄弟や親族一同巻き込んでやっている。イーロンはこのゲームがめちゃくちゃ強かったらしく、一時期はこれで夫婦仲が険悪になっていたこともあるらしい。

The Battle of Polytopia

The Battle of Polytopia

  • Midjiwan AB
  • ゲーム
  • 無料

へー、どんなゲームなんだろう?ってなんの気なしに検索してみて、iPhone版がある(他にSwitch版やSteam版もある)ということがわかったので、ちょっとだけやってみようかなってiPhoneにダウンロードしてみたらそこから5時間帰って来れませんでした。ヤバい。物凄く中毒性が高い。 ターン制の戦略ゲームで、いくつかゲームモードがあるんだけど、1セッション30ターンで終わるのが基本。まあ有限だし1回だけだったらそんなに時間取らないだろうと思ったら、やり込む毎に1ターンあたりめちゃくちゃ長時間考えるようになっていって気がついたら何時間も経っています。 本は先週読み始めたんだけど、下巻の途中でこれをやり始めてしまい、本が止まってしまったので慌ててそのときはやめたのです。でもこないだの週末についうっかり起動したら気がついたら朝になってたね。帰ってきて夜寝る前に1回だけ、と思ったらDuolingoのstreakもすっ飛ばして昼頃までずっとやってました。 イーロンはこれで会議の予定をリスケしたこともあるらしい。2023年現在でもやっているのだろうか? これ仕事がある日に朝までやってて寝られなかったらシャレにならないので、いまは1日1プレイだけに制限してます。有料のtribeを1日1個ずつアンロックしてそれで最後までプレイしてみる、というのでいま3つめ。

対人対戦まだやったことないので、どなたかやっている方がいたら一度お手合わせさせてください。ということでイーロンのせいでひさしぶりに完徹したという話でした。これに書いて昇華させないといつまでも気になってしまう。

それにしても

やはり「気が狂いそうな切迫感を持って」なにかをやるっていうことろが気になって仕方ない。プログラミングでもコーヒーでも、もっと切迫した感じでやらないといけない気がする。私も20代の頃は会社のデスクの下の床で寝る、とかよくやってました。もう若くないので徹夜なんかできないと思うけど、残りの人生で「いまがいちばん若い」んだからやるならいましかない、というような気持ちを再度起こさせてくれるには十分な読書体験でした。まあ余計なものにハマってしまって困っているけど..。

*1:なんせPaypalを利用して決済システムを作るときのサンドボックス環境のURLは長いことdeveloper.x.comとかで、仕事で決済システムを利用したいときによく使っていたのだった