転職してソフトウェアエンジニアをやっている

ひさしぶりにblog記事書きます

本エントリはカケハシ Advent Calendar 2023 Part 2の 15日目の記事に入れてもらってます。カケハシ Advent Calendar Part 1 もあり、様々な職種の方が記事を書いているので、ぜひご覧ください。といってもそもそもこのblogでは初出であるカケハシってなんだ?という話からしなければなりません。このAdventが書くきっかけになったのですが、そのあたりの近況報告も兼ねて最近こんなことをやっているというアップデート記事です。

転職していました

実際に新しい所属になったのは今年の10月1日からで、もう2ヶ月半くらい経っているのですが、本当にあっという間でした。Twitterではいろいろ投稿していたので見ていた方はご存知かも知れません。現在は株式会社カケハシというところで、ソフトウェアエンジニアとして新しい事業ドメインを起ち上げるためのプロダクト開発をしています。ソフトウェアエンジニアとしてプロダクト開発をしているのです。2回言いました。

前職も毎日面白かったしやりがいもあって明確に転職意志があったわけではなかったのですが、いろいろとタイミングが重なった結果、気がついたらこうなっていました。

カケハシってどんな会社?

株式会社カケハシは「日本の医療体験を、しなやかに。」というミッションを掲げて様々なプロダクトを開発しているスタートアップ企業です。 www.kakehashi.life 前職がヘルスケアだったので、そちらに継続的に興味があって同じような分野を選んだのかとよく聞かれるのですが、これは偶然です。 たまたま他の要因で興味を持ったのがこういう業界だった、という感じ。どういった動機で決めたかというのをいまから書きますね。

ソフトウェアエンジニアになりたいんだ!

要するに、自分でコードを書くことをもっと追及したくなったのです。

8年前にコーヒー屋をはじめてからソフトウェアの業界には薄いお付き合いだけをしていました。そんな中で、いろいろあって一昨年の3月に6年ぶりにガチのネット系スタートアップ業界に戻ってきて、この業界のことにまだ興味が残っていて、もっともっと最前線の勉強も再びやっていきたいなという気持ちが盛り上がってきた。

喩えて言うと、自分の家の冷蔵庫の中身だけではお客さんを満足させられない感じというか、新しい材料を仕入れて調理法もまだやったことがないものを追及して、道具も揃えたりメンテナンスしたり、そういうことをしなければならなくなった感じがしました。

そして、自分自身でこのスタートアップ界隈やソフトウェア業界にもっとどっぷりつかろうと思ったら何をいちばん極めたいかというと、それは手を動かしてコードを書いてプロダクトを作るというところだな、というのも実感していました。

スーパープログラマではないけれど...

私自身は業界は長いけれど凄腕プログラマというわけではないのです。いわゆるBig Techな会社にサクっと入れるようなこともなく、なんか有名な作品があるというわけでもない。ただわりと昔からプログラミングはやってきている。さらに、プログラミングによって人の役に立つとか社会が変わるとかそういうことはしたい。

いま自分がやりたいのって、これまでそれなりにやってきたコードを書いてなにか作るということを、もっとレベルアップさせなければならない、自分が直接見知っているスーパープログラマ達に少しでも近づくために日々自分を鍛えたいな、そのためにもっと現場でコード書きたいな、ということなんだなと気がつきました。

自分でコードを書くということ

いま自分よりも20も30も若い人たちがソフトウェアエンジニアを目指して研鑽を積んでいます。前職でもそういう希望を持って転職してきた若者たちとたくさん対峙してきました。自分は経験的にも年齢的にもそんな人たちを導く立場というか、彼/彼女らの成果や成長に貢献して自分はもう一線を退いているべきなんじゃないかということは常に頭をよぎります。 が、それはもう少しだけ先送りさせてもらいたい、このあたりでもう一度自分自身でプロダクト開発の最前線で揉まれてみたい、できれば自分が「いちばんの下手くそ」でいられるチームで、毎日必死にコードを書くということをやってみたい。Chadが何年も前に言っていたことですが、長い時間を経て改めてこの" Be the Worst" こそがいま自分に必要なことだなと実感しました。

もう少し自分のためにプログラミングを追及してみてもいいんじゃないか。それに、50近いおっさんになっても良いコード書きたくてじたばたしてる姿っていうのも誠に僭越ながらいまの若い人たちにとっては面白い見本になるんじゃないかな。

コードを書く、とは言っても..

あともうひとつ、コードを書きたいなら競プロやればいいじゃんみたいなのも今回はちょっと違う。若い頃さんざんやりましたが。あくまでプロダクト開発がやりたい。特定の業界の、ムーブメントの先端にいることには独特の充実感があります。顧客とか市場とかが見えていないと、本当に本気になってものごとを良くしようと思うのは難しいです。 優秀なPdMとタッグを組んで、常に少しずつストレッチした目標で、アウトカムだけを考えて開発に邁進する、そんな状況であれば、いちばん下手くそなメンバーとしてチームにいてもモチベーションを保ち続けながら毎日夢中になって過していられそう。

やりたいことができるところ

ところが、やりたいことがわかったからといってすんなりそうできるとは限らないんだよね。いろいろな観点で難しい。そもそも転職するという選択肢はふつうにやってたら上がってこなかったかも知れない。

ありがたいことに、前職在職中から、なんならその前からも、いろいろなお誘いはいただいてました。ただ、年齢的にもキャリア的にもご提案いただけるポジションにはいろいろと別のロールが附属してくる。経験を活かしてメンバー教育やチーム作りをやっていただきたいとか、知名度から技術広報や採用への貢献を期待していますとか、果ては技術戦略全体をお任せしますとかまで。誤解のないように言っておくと、そういうことが嫌とかやりたくなかったというわけではないのです。それはそれでやりがいもあるし、メンバーの成長を見ることにも凄い充実感あります。むしろやってるときは夢中になってました。要するにそこはコンフォートゾーンだったのだ。だからそこから敢えて抜け出さないと変化できないなと思ってました。そうすると、様々にいただくお誘いの方向とはずれていってしまいます。

そして前述のように、ただコードを書くだけではだめなのです。プロダクト開発の最前線というか、お客さんがちゃんといて、あるいは潜在的にいることを見越していて、そのお客さんとの距離がアウトカムを常に意識できるくらいには近く、チームにはシニアが揃っていて、しかも自分が入れてもらえる(これが重要w)。

そんな都合のいい現場があるのか

詳細は端折りますがうまいことあったのがカケハシという会社でした。いろいろあって10月1日から正式にジョインしました。

以前から知り合いだった湯前さんが先にジョインしており、(こんなにはっきり言語化していたわけではないけれど)ぼんやりと上記なようなことを話していたら、まさにうってつけのチームがありますよといって紹介してもらいました。 社内でも他チームのエースだった人とか自分も毎日ヘビーに使ってた有名SaaSの開発してた人とかある程度シニアな人だけを集めたチームを作っていた。私もよく知っている他社のVPoEやってた人がEMとしてジョイン予定だとも聞いたり(同日入社だった)。

転職してみてどうだったか?

そんなわけでいまのチームに来ましたが、狙い通りというか、凄いメンバーに囲まれて必死に喰らいつきながら毎日楽しくやっています。今日は自分語りに終始しようと思っているのでこのチームの日々の働き方とかアウトプットとかについては別の機会に譲りますが*1、ひとつだけ書くと、常にチームでの成果を最重視していて、その成果というのも顧客アウトカムで測るということが徹底されていて、そんな嘘っぽい理想のチームみたいなの作れるのかと思ったが実際に作れている。

ちょうどこのAdventに合わせて今週チームメイトの開発メンバーがそれぞれ記事を書いてるので読んでいただくと少し雰囲気がわかるかも。これ以外にも同じチームのPdMたちとか他のチームの人とかもそれぞれいろいろ書いてます。それ以前にtwitterにかなりチームの空気が漏れ出しているという話もありますが*2

実際お前はなにをやっているのか

自分自身がなにをやっているのかというと、まずはいろいろな前提知識をインプットしながら、特に分野を絞らずフルスタックでそのとき必要な開発をする。といってもまだまだペアプロ・モブプロで助けてもらいながらですが、毎日コード書いてます。カケハシでは今後の開発言語は特別なことがない限りはTypeScriptで統一しようということになっており、毎日TypeScriptを書いている。別のチームのヘルプで少しPython書いたりとかはしてるけど、実はRubyは一行も書いていません。まあそういう観点では探してなかったのでね。ただこれまでのRubyコミュニティの繋がりみたいなのが全く無関係かというとそういうことはなく、たとえdhhがRailsのコードベースから排除したTypeScriptを書いているときであっても、Railsで開発してたバックグラウンドが効いているなあと思う機会はよくあります。 この話はまた機会を改めて詳しく書いてみたいと思う。

まとめ

6年間コーヒー屋をやっていてひさしぶりにソフトウェアの業界にガチで戻ってきましたが、ブランク分まで含めてもっとコードに向き合って研鑽を積みたくなったときに、ふとその願いを口にしてみたらもう40代が終わろうとしているおっさんでも新しい挑戦の機会を得られました。有り難い話です。いいチームなので、しばらく邁進してみたいと思います。

p.s.

コーヒー屋は(あんまりできていないけど)完全にやめたわけではないです。そちらもまた別の機会に...。

*1:チームメンバーのことを書くと1人あたりそれなりのボリュームになってしまう。Natural Born EMな人のこととか書きはじめると1ヶ月くらいかかりそうだったり、超優秀で情熱的なPdMがいることの素晴しさとか語り出すと「そもそもプロダクト開発とは」みたいな話がどーっと展開されたりする。

*2:受動喫煙のよう、とか言われている