Sarah, 2008--2024

黒猫のサラは2008年の7月20日に我が家に来ました。その日に譲渡会があって即日家に来たのです。その時点で2ヶ月半から3ヶ月くらいだろうということで4月のどこかが誕生日のはずなんだけど、はっきりわからないので家に来た日である7月20日を記念日としてずっと祝うことにしていました。

私の仕事用の椅子がお気に入り

この日付は、ちょうどその前に飼っていたリサにゃんの一周忌の命日でした。本来であれば今日16回目の記念日を祝うことになるはずだったのですがそれは叶いませんでした。先月、6月11日にサラにゃんは16年ちょっとの生涯を終えたからです。ずっと調子を崩していたんですが、最後は私の腕の中で眠るように静かに呼吸と心臓が止まっていきました。黒猫でふさふさで、最後の最後までずっとかわいかった。

いまの家の前の家のそのまた前の家から16年間ずっと一緒で、田舎にいるときも含めてこれまで飼った猫の中でもいちばん長いし、自分の子供よりも長く付き合っているし、かけがえのない伴侶でした。ねこだけど、姉のようでもあり娘のようでもあり、甘え甘えられ、ずっと特別な存在でした。

私は猫を一時期6匹飼っていたけど、この子とその2年後に来たシロにゃんのふたりは本当に特別な存在でした。シロにゃんが5年前に突然亡くなって、サラにゃんもいなくなって、すごく淋しいです。なんていうか、何にも夢中になれない、どんなことをやっていても家に帰ってもサラ子にもう会えないんだなっていうことばかり考えてしまう。

先月の札幌のこととか、行ってる間は楽しかったしいろいろと思うところもあったけど帰ってくるとこのなかなか受け入れられない現実にぶちあたってうまくblog記事とか書けないという状態がずっと続いています。

家にはあと4匹ねこが残っていてその子たちのお世話もしないとだし、そもそも毎日仕事はしてるので日常生活が成立しないというわけではないんですが。でもうちの多頭の子たちの中でも明確にえこひいきしてかわいがっていたので、他のねこではかわりにならないんだよね。

そういえば9年前に猫廼舎をはじめるときに、店名の候補として当初考えていたのが『黒猫白猫』でした。同名のフランス映画と、お店にあったピアノの鍵盤と、当時は2匹だけだったうちのねことをかけていて、採用はされなかったけどいい名前だったと思う。もうお店もなくなっちゃったし、その名前の元になった2匹ともいなくなっちゃったし、なんだか本当に淋しいなあ。

黒猫白猫

私は淋しいけど、向こうでシロにゃんに会えるからまたなかよくしてるかな。それだったら楽しみ。こっちでは会ったことないリサにゃんにも会うかも知れないしね。ねこが旅立つ度に、自分自身の死の恐怖みたいなのは薄れていくのを感じます。